地域の景観
立正大学地球環境科学部地理学科に在籍していた頃の講義ノートを整理していますが、数ある講義の中からこのブログでいくつかご紹介いたします。
今回は、「地域の景観」という講義です。
担当された先生は、菅野峰明先生で、人文地理学・都市地理学・アメリカ地誌がご専門で、当時は埼玉大学教授で、立正大学には非常勤講師として勤務されていた先生です。
「地域の景観」というタイトル通り、それぞれの地域ごとでどのような景観の特徴があるのか、都市部と農村部ではどのような景観の違いがあるのかなどを学ぶ講義で、世界には様々な地域がありますが、その中からヨーロッパとアメリカ合衆国に絞って、それぞれの景観の特色などを学びました。
講義の柱としては、以下の通りでした。
○Introduction
Ⅰ 景観とは
Ⅱ 景観要素
Ⅲ 農村景観の要素
Ⅳ 都市景観の要素
Ⅴ 景観の種類
○ヨーロッパの農村景観
Ⅰ 集落の立地
Ⅱ 農村集落の形態
Ⅲ 農村の空間構造
Ⅳ 建築材料と様式
◯ヨーロッパの都市景観
Ⅰ 都市の立地
Ⅱ ヨーロッパの都市の特色
Ⅲ ヨーロッパの都市の構造
◯アメリカ合衆国の農村景観
Ⅰ アメリカ合衆国の土地測量と土地区画
Ⅱ 集落形態
Ⅲ 耕地の形態
Ⅳ 農地の形態
Ⅴ 民家の形態
◯アメリカ合衆国の都市景観
Ⅰ 都市の発展形態
Ⅱ 都市の内部形態
ヨーロッパの景観については、高校の地理の授業や大学受験の時に、農村集落の形態や都市に関してもある程度のことは勉強していましたが、それらはこの講義自体の表層であり、さらに深い部分を学べたことで、地名と都市立地との関係性をより深く学べましたし、地域ごとのスカイライン(建物の高さ)の特徴も捉えることが出来ました。
また、アメリカ合衆国の景観については、農家の形態の特徴とその地域の農産物の卓越の関係性が見えてきましたし、アメリカのドラマから見える街並みの特徴の裏付けも学ぶことが出来ました。
この講義では、ヨーロッパとアメリカ合衆国の景観についてだけでしたが、そこから他の地域の景観の特徴を読み取る足掛かりを掴むことが出来ました。
地理学の学習は、目の前にある事実がどのような過程を経て出来上がったのかを、学ぶことです。
自然の力によって出来上がったものなのか、人の手が加わりながら出来上がったものなのか、またはその両者の力によって出来上がったものかを、今までの研究結果や目の前にある“今”を比較したりすることで見えてくる事実に向き合うことが、とても大切です。
この「地域の景観」の講義からは、地域ごとに築き上げられた過程という切り口(視点)を身に付けることが出来たと思います。
地域というのも、その括り方で大小様々です。
大きく見るときの切り口、小さく見るときの切り口、そしてそれらの注意点などを学べました。
地理を楽しく学ぶスクール“Geographic Institute”のレッスンでも、その辺りを注意しながら楽しく進めております。
※講義の細かい内容については、ここで書くことを省かせていただきます。ご了承ください。
(写真は、フリー素材写真です。)
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